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文学賞受賞作家
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闇の子供たち (幻冬舎文庫)


梁石日
¥ 720 通常24時間以内に発送
★★★★

闇の子供たち (幻冬舎文庫)
本作を映画化したものを観て、あまりの衝撃に帰りに本書を手に取りました。 映画の方が奇麗に纏まった物語のように感じましたが、 本書はストーリー運びが荒々しく、原作ならではの読み応えがありました。 以前、「少女売買」という書物を読んだときにも、その内容に驚きましたが、 少年少女関係なく実の親に売り飛ばされ、しかもエイズで死ぬか、 玩具あるいは臓器として売られるかするまで開放されないとは、 あまりにも酷い話です。 でもこういう不条理なこと、きっと本当にあるんでしょうね。 「カラマーゾフの兄弟」に子供が惨殺される話が出てきますが、 ドストエフスキーがこの話を知っていたとしたら、 きっとその物語に取り上げたのではないか、と思いました。 こういう子達の苦しみも、「真理を買うために必要な苦痛の総額の足し前」なのかと。 映画を観てから、 原作を読みました。 リアルで、 生々しい描写が、 読む側に迫ってきます。 前半では、タイの幼児売買、幼児売春の実態を、 後半では、それに関わる二人の日本人を描いている。 フィクションには違いないが、 しかし、 ここで書かれている社会背景、 ...

おそろし 三島屋変調百物語事始


宮部みゆき
¥ 1,785 通常24時間以内に発送
★★★★★

おそろし 三島屋変調百物語...
正直、宮部みゆきさんの作品を読むのは、 これが2作品目でした。 時代小説は、初めてです。 とにかく、静かに淡々と進みながらも しっかりとストーリーの力強さを感じました。 一人一人の人々の生きる力を感じます。 ほんのり暖かで、時にひやりと冷たく、 夏の夜の一冊には最適でしょう。最初から、ぐいぐい読者をひきつけて読ませてくるのは、さすが宮部みゆきだと思いました。 最後の1ページ、これを読む為にここまで読んできたんだと思わせる『うまさ』です。 オススメの1冊です。 いつ読んでも宮部ワールドは、ホロリさせられます。縁談が決まり幸せの絶頂から、奈落へ。気づきもしなかった、おごりと誤解から、おちかとその家族や周囲の人々は、重い枷を背負うことになります。実家にいられなくなり、叔父の元で女中として、働きながら、日々悔いながら生きるなか、ひょんな行きがかりから変調百物語を聞くことになります。この世には自分だけじゃなく、沢山のひとが奇怪な出来事に巻き込まれ、苦しんでいると、気づきいてゆきます。一人二人と話しが絡み合い、おちかを元にすべてがつながった時、忘れ去られた悲しみや、怒りや、哀れさが、解放さ...

NHK大河ドラマ・ストーリー 篤姫 後編 (NHK大河ドラマ・ストーリー) (NHK大河ドラマ・ストーリー)


宮尾登美子 田渕久美子
¥ 1,050 通常24時間以内に発送
★★★★★

NHK大河ドラマ・ストーリ...
大河のストーリー本(日本放送出版協会のもの)は、ほぼ毎年買っています、去年のは私にとって ×だったので買わなかったしテレビも見ませんでしたが。 「篤姫」は衣裳や髪型にもたいへん興味を持って見ていますので、本にいろいろ紹介されているのは 嬉しかったです。 テレビは、いよいよ和宮さんが降嫁してきますから、江戸風と京風、武家風と御所風の対立ですね。 幾島が去ったけど、次々と目が離せないストーリーで楽しみです。 ただ、どの大河についてもほぽ共通しているかと思いますが、後編の本は薄めで、内容にふくらみが 欠ける感じがするのが残念で、★4個にしました。大河ドラマ「篤姫」も後半になりましたが、魅力は衰えないですね。毎週見て、さらにDVDにも録画しています。NHK大河のガイドブックも、初めて、前編だけでなく、この後編も買いました。 本書では巻頭に、宮崎あおいさんを筆頭に、前編でも紹介された役者さん、さらには今後登場する役者さんの「決意表明」が載っています。宮崎あおいさんの気の入れ方は相なもので、彼女あっての大河ドラマという感じがしました。もちろん、大奥が舞台で女性の視聴者が多いゆえの高視聴率とい...

火車 (新潮文庫)


宮部みゆき
¥ 900 通常24時間以内に発送
★★★★★

火車 (新潮文庫)
これをミステリと分類してもよいものか。 ストーリーはまさに「火曜サスペンス」そのもの。 クレジットカードの乱用に始まる多重債務の苦しさは 十分知ることができるのですが、とにかくテンポが遅い。 TVドラマなら3倍速ぐらいで見てちょうど良いくらい。 同じ内容の心理描写が違う表現で何度も出て来たり 私には不必要に思われる情景描写がしつこく細かすぎたり、 最後の100ページに入るまで本当にイライラのし通しだった。 切なさで殺人の極悪非道さが希釈されるのもいつものパターン。 探偵に人探しとかを依頼するとお金が掛かりそうだなと思った。 私には東野氏のスピーディさと引っかかりの多さの方が心地よい。私はあまりミステリーは読まないんですが・・・すごく人気があったみたいなので手にとってみました。 正直、私に合ってないだけなのかもしれませんが、始終だらだらしていて大きな発展もなく、あーこのまま終わるのかみたいな。 ストーリーは複雑で宮部さんはすごいなーとは思いました。 でも、いったい何が言いたいのかわからなかった。 ミステリーはそういうものかな? 題名もいまいちストーリーとの関係性が薄い気もします。 ...

東京島


桐野夏生
¥ 1,470 通常24時間以内に発送
★★★★

東京島
無人島で次々と事件が起こって、最終的に隆とカスカベの死因も解き 明かされるのかと思って読み進んだが、 結局最初から最後まで清子を中心とした漂流者の無人島での生活記が描かれている。 全体のストーリーを楽しむというよりは、人間の欲望を包み隠さず表現された無 人島生活の日誌を楽しむといった印象。 誰一人住んでいない南の島での生活をときに憧れたりするものだが、 現実は何も知恵がないと過酷で退屈な生活になることが容易に想像できる。 なんかこの続きがありそうな感じもする。 私が初めて体験した桐野作品は『リアル・ワールド』で、当時青春真っ盛りの私にとって、余りの読後感の後味の悪さにショックを受けてしまい、それ以来桐野作品からは距離を置いていました。 そんな私も年齢を重ね、ある程度社会の汚い部分も知ってしまったので、今回内容に惹かれ久々に桐野作品に挑戦してみました。その結果やっぱり悪かったです、後味。 と言っても、あの頃感じた後味の悪さとはまた種類が違って、『リアル・ワールド』の時は見事に世界間に飲み込まれた結果の後味の悪さでしたが、今回は肩透かしを食ったという意味での後味の悪さです。もっとぶっ...

非正規レジスタンス―池袋ウエストゲートパーク8


石田衣良
¥ 1,600 通常24時間以内に発送
★★★★

非正規レジスタンス―池袋ウ...
年が明けてもまだ暖かな東京の冬のある日,20代になったばかりのガキが店先の商品を食い入るように見つめていた。90分ごとに現れるガキをバナナを片手に迎え話しかけると,名前はサトシという。サトシはコインロッカーをタンス,ネットカフェを転々としながら人材派遣会社の仕事を日雇いでこなすフリーターだという。また,面倒な話に首を突っ込んでしまった・・・表題『非正規レジスタンス』 池袋ウエストゲートパーク[,例のとおり短編3本と中編1本から構成される。今回の話はどれもこれも考えさせられる話であると感じた。シングルマザー,ネット強請など・・・時代を反映しているのであろうか?社会の中に隠れて見えない部分がたくさんあるのであると,自分の視野の狭さを改めて感じてしまった。しかしながら,いつもの登場人物が活躍するシリーズの内容は踏襲されていて,楽しめる本でもあった。真面目に生きている者がバカを見る。そんな世の中はあまりにも寂しすぎるが、 これが現実なのだと思うとやりきれない気持ちになる。この作品の中に登場する 者たちの中にも、そんな人たちがいる。必死に生きている母と息子。その母を 自分の利益のために利用し...

切羽へ


井上荒野
¥ 1,575 通常24時間以内に発送
★★★★

切羽へ
夫を深く愛しているからこその物語だと思う。 それでも普段隠れている自分のどこかが、夫とは違うものに惹かれ、 どうしようもない想いにとらわれて行くのもよくわかる。 単調な島の生活の中で、その刺激的な想いは主人公の内で強くなっていくのだけれど、 その合間にも描かれる夫との馴れ初めや日常生活が、 夫への愛の深さを再確認しているようにも思う。 そうして淡々と描かれて行く物語は、強烈ではないけれども、 美しい印象を残してくれた。 愛というものの深さ、恋というものの切なさ。 荒野さんの小説は、文体や漢字の分量も美しく感じられる。 余計ではありますが、 その昔、純愛物だからと「マディソン郡の橋」を薦められて読んで、憤慨した私のような者には、 「切羽へ」は、涙が出るくらいの純愛小説でした。二十歳そこらのガキが読んでも深く味わえない小説が直木賞を受賞して、喜ばしいことです。団塊の世代が大量にリタイアして、よき読者になることを期待すれば、この傾向がしばらく続いて欲しいと思います。 淡い色彩のちょっと幻想的な風景画から、物語をすいっとすくいとって、季節のめぐりにそうっと流したような、そんな作品。意味...

新装版 天璋院篤姫(上) (講談社文庫 (み9-7))


宮尾登美子
¥ 700 通常24時間以内に発送
★★★★★

新装版 天璋院篤姫(上) ...
昔の女性は、ただお姫様でいる人と、好奇心あふれ、熱心な姫といたんですね。 それも先を見る力がいるような。篤姫の聡明さに感服します。大河ドラマの原作を読むと、テレビでは省かれている点や、演出の都合で新たな人物が登場していたり、補足になります。今和泉の父にも側室がいたのか・・・とか。この一冊でドラマ半年分の脚本を書いた作家には驚きます。いうまでもなく、今の時代とは女性の役割、世の中の女性観は隔世の感がある。 たった数百年前明治にならんとする近代の黎明期において、トップレディといえ、 主たる役割は世継の継承、バックオフィスの安泰であり、歴史的政治的な役割は 期待されていない。 とはいえ、バックヤードでのあるじたる将軍への影響力を期待され、多いとはいえない また速いとはいえない情報から裁量をとることが期待されている。 いち早く多くの情報取得をできた人間が勝ち、そして性差は多様性と受け止める 現在とは処し方も違えば価値観も異なる。 そんな中で篤姫は鹿児島の分家の娘として生まれてから島津家の養女そして徳川の嫁として 数奇な運命を進んでいく。 この小説はその48歳の人生をコンパクトに力強く表現し...

新装版 天璋院篤姫(下) (講談社文庫 み 9-8)


宮尾登美子
¥ 700 通常24時間以内に発送
★★★★★

新装版 天璋院篤姫(下) ...
結婚したら嫁ぎ先の人間。などと今時言ったら、笑われそうです。 昔はそういうもの。 聡明な分、背負うものも大きく、心労も大きく、大変濃い人生だったんでしょう。 余生も徳川のため。と、気丈な方だったんですね。 女としては幸せ遠くとも、晩年は子や、親族に囲まれ、親しまれ、幸せだったんでは。 参考にします。こちらが原作なのに失礼を承知で敢えて「宮尾」と銘打たせて頂いたのは、私自身が大河ドラマをきっかけに本書を手に取った為です。 本書は大河の原作ですがそこにには、尚五郎の淡い初恋のエピソードも、後に維新の英雄となる若き日の西郷や大久保との交流も、阿呆を装うインテリ家定との純愛も描かれていません。 代わりに、政争の道具とするために、自分の一生から女の幸せと奪い去った養父斉彬への不信感を募らせたり、 いつまでも皇妹との意識を捨てきれず徳川の女になりきらない嫁・和宮への苛立ちのあまり、自らが嫁を折檻する悪夢にうなされたり、 妊娠どころか生涯男子と交わることなく終わるであろうわが身とひきくらべ、和宮懐妊の噂に思わず悲しい嫉妬してしまう等 等身大の篤姫がそこにはいました。 大河に感動し、本書を手に...

魍魎の匣 1 (1) (怪COMIC)


京極夏彦
¥ 588 通常24時間以内に発送
★★★★★

魍魎の匣 1 (1) (怪...
京極夏彦の作品を漫画化したものとしては他に『巷説百物語』、『ルー・ガルー』を知っていますが失礼ながらこの作品ほどの完成度(再現度)はないように感じます。 この作品は、絵の完成度もさることながら、小説独特の心理描写をよく絵に表わしていると思います。(例えば木場刑事の心理状態を表すのに使われた『箱』の描写は巧みでした) 原作ファンにも必見です。 私は両作家さんとも初めましてだったのですが、 ストーリー展開も描写もリアルで、ホラーであの作風の画はほんとに怖いです。 絵柄が受け付けない、と言うのでなければ読んでてのめり込める作品なんでしょうが、 正直私はちょっと苦手です。 でもこの先の展開が気なって、次巻の購入を悩んでいます。 だって、表紙の彼が最後1ページしか出てこない。しかもセリフもない。 とりあえず、しばらく様子をみようと思います。あまりにも素晴らしいコミック化。 作者の愛情と画力と構成力と原作の良質さが融合して生まれた傑作と言っても良いでしょう。 まずキャラクターデザインですが、映画版と違い、どのキャラも原作の描写を余すところなく拾い集めて絵にしたような、まさにイメージ通りの...

きみの友だち (新潮文庫 し 43-12)


重松清
¥ 620 通常24時間以内に発送
★★★★★

きみの友だち (新潮文庫 ...
どうしてこんなに 涙がでるのだろう 昨日 読んだばかりの1冊なのに 今日も手に取り そして 昨日より たくさんの 涙が 溢れる 10代は もう遠く離れてしまったのに 遠く離れてしまったから 流れるのかもしれない もう 二度と会えなくなった あの日々を想い もう 二度と会えなくなった あの人たちを想うから 言えなかったこと できなかったことが 小骨のように 胸にささっている 後悔と 懺悔と 甘美な思い出 忘れていた その痛みを 思い出し 心が 赤く 熱い 涙を流す 単純な二元論は好きではないのだけれど「大勢の友達と一人の親友どちらが欲しい?」という質問に答えるならば,私は一人の親友と答える(言わずもがな,親友がいて,その上で大勢の友達がいるにこしたことはないのだけれど・・・). 知り合い,友達,親友.これらに明確な境界はない.特に親友は難しい.言いたいことを言えるのが親友,という意見もあれば,親友だからこそ相手を大切に思いやり,関係が壊れないように言葉を選ぶという考え方もあるだろう. また,親友を作るのは年少の方が容易だ.年を重ねるごとにプライド,異性,周囲の目など様々な...

坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)


司馬遼太郎
¥ 670 通常24時間以内に発送
★★★★★

坂の上の雲〈1〉 (文春文...
司馬遼太郎さんの作品を初めて読み始めてますが、まずは一巻ということで、主人公たちの幼少時代から入ります。明治初期の幼い主人公達が立身主義の日本で学問を学ぶ姿が 克明に書き記されており、非常に情景を思い浮かべやすいです。 日本の歴史書としては、非情に勉強になります。 ただまだ一巻ということでこれといって、読み入る部分はまだ出てこないため、次巻に期待。ギリギリの生死を賭けた男たちの生様を描いた小説です。 大筋は史実に基づいていますので(刊行後に明らかになった新事実 もありますが)、旅順攻略の部分など読むのが辛い記述もあります。 海戦で勝つ部分など、やはり日本人として気分が高揚しながら 読めますが、ロシア軍は多大な死傷者が出ている訳ですから 勝ったからいい、という単純なものではないと感じました。 また、乃木のような無能なリーダーの下で死んでいった無名の兵士 たちが哀れです。明治期は薩長でありさえすれば、このような無能者 でも大将になれたんですから。ちなみに乃木は士官学校に数ヶ月間 居ただけなのに、長州という事だけで軍人のスタートからいきなり 中佐になっています。無能なリーダーは罪深...

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)


村上春樹
¥ 540 通常24時間以内に発送
★★★★

ノルウェイの森 上 (講談...
今までほとんどといっていいほど読書をする習慣はありませんでしたが(職業に必要な本を除き)、たまたま村上作品に出会いこの本を読んでから読書の習慣がつきました。 いろいろな作家の作品にも手を出そうとしていますが、なかなかいい作家が見つからないしだいです。 今度映画化されるとあって再度読み返している最中です。村上春樹の名を知らしめた1987年のベストセラーです。出版当時、世の中がどうしてこんなに騒いでいるのか、実は不思議に思った記憶があります。村上氏はそれまでも「風の歌を聴け」や「羊をめぐる冒険」、「世界の終わり・・」など力のある長編、それに短編小説集もいくつか発表しており、その才能は充分に評価されていると(勝手に)認識しており、その延長線上にある「ノルウェーの森」ばかりがどうしてこんなに取り上げられるのだろうか、と思ったものでした。 今、読み返すとそれまでの作品に比べてリアリティーが増しており、その分かり易さと装丁の良さが当時売れた理由なのかなと思います。本質的には青春小説。20才前後の大人になりかけた主人公の感受性の高さと危うさ、多くの人がシンパシーを感じるこの時期を上手く描きまし...

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)


村上春樹
¥ 540 通常24時間以内に発送
★★★★

ノルウェイの森 下 (講談...
するらしいですね。多くの春樹ファンは嫌がるでしょうが僕は期待しています。僕は(このレビューを書いている今)十代ですが、村上春樹にはノルウェイから入りました。この本が「ただの恋愛小説」なら星五つつけるわけがないわけで、いわゆる「恋愛」を扱った小説ではあるけれど、その主題は別のところに置かれているように思います。もちろん恋愛の本質は捉えられていて、「恋愛というのは人間の感情でしかなく、そこには教養こそあれ幸せは存在し得ない」という姿勢を提示しています。しかし、この小説が素晴らしい理由はそれだけではなく、あくまで「娯楽小説」である点、ではないかと。主人公である「僕」は現実には絶対に存在しないタイプの人間として描かれているし、周りの人々も一般社会から見れば変な人ばかりで、ファンタジーとしての「ノルウェイの森」を際立たせています。あまりに若いうちに読んで世界観に共鳴し過ぎるのもマズイし、かといって年をとってから読むにはクサ過ぎる、そんな小説。小説を小説として考えられる人には面白い作品なのでオススメです。どこがいいのかわかりません。 話の展開は御都合主義ですし、構成力の無さには呆れます。 村上氏...

NHK大河ドラマ・ストーリー 篤姫 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)


宮尾登美子 田渕久美子
¥ 1,050 通常24時間以内に発送
★★★★★

NHK大河ドラマ・ストーリ...
つや消しの装丁が高級感があって素晴らしい。永久保存しておきたい。内容もいい。下も絶対買おうと思った。出演者のインタビューが充実しています。 また篤姫の時代についても書かれており、これから観ようと思っている方のガイドになると思います。 インタビュー部分はカラーになっていて内容も充実しているのに千円はお買い得です。 今年の大河ドラマの入門書に最適です。 ちなみにこちらは「前編」で「後編」は6月下旬発売予定です。 「篤姫」のガイドブックがいくつか販売されていますが、やはり本家本命、NHK出版の本書が参考になりますし、見ても楽しいです。 数々の撮影場面と俳優のインタビュー、撮影裏話に、薩摩の歴史、原作者、脚本家のインタビュー、果ては鹿児島の見所紹介に、篤姫のQ&Aなど盛りだくさんで、とてもお買い得だと思います。 今回の大河ドラマ、女性が主人公ですが、幕末・維新の薩摩を扱ったドラマに熱い情熱がこもらないわけがありません。脚本の田渕久美子さんは、様々な人物が自分の中に「入ってくる」から書けると述べています。 「篤姫」は今までの大河とはまた違った面白さとエネルギーを与えてくれそうで...

アカペラ


山本文緒
¥ 1,470 通常3〜4日以内に発送
★★★★★

アカペラ
体調を悪くなされて、しばらくかいていなかった山本さんの6年ぶりの新作です。 3編とも静かに生きている人の物語。共通して感じるのは「家族の温かさ」。 きっとこれは数年間の苦しい日々の中で、山本さんが自分の経験として感じ得たものなのしれません。 地味なように見えるけど、自分の力で生き抜いているえらい人たち。 登場人物のすべてが抱えているやりきれなさがジーンとしみてきます。 本の帯に≪待望の復帰作にして最高傑作!≫と書いてあるけど、 これを傑作と言ってしまうなんて作家・山本文緒に対して失礼ですっ! この数年間の苦しい日々で得たものによる新しさも見えるけど、 これまで光っていた山本さんの苦みのある持ち味は軽減してるように思います。 今作はまだリハビリだと思いたい。次回作も待ってます。過去の山本作品を凌ぐものであると思った。これだけの作品を書いてきて、なお、新しい世界に触れることができていると思う。人間関係が希薄になったと云われる時代において、あたらしい形を模索している三つの作品。問題の提起の仕方に著者ならではの感性で切り込めているあたり、これからの作品も読み続けたいと思えた。

芙蓉の人 (文春文庫)


新田次郎
¥ 470 通常4〜5日以内に発送
★★★★★

芙蓉の人 (文春文庫)
すごい話だなあ。 しかし、陰鬱な話だなあ。 明治の女の気丈さも感じるけど、たいへんな状況でたいへんなことをしようとして、 本当にたいへんだったんだなあということだ。 みんな私費でやるわけだし。 この夫婦、固い絆で結ばれていたにせよ、家庭的に幸福とはいえないような・・。 嫁いだ先のお母さんとの関係も、この時代はこんなものかもしれないが・・・。 なんだか陰鬱さから逃れたくて、先を急いで読んだ感じです。新田次郎さんの本はもともと好きだけれどこの本には涙が出そうになった。100年以上も昔に重要な任務として冬季の富士山での気象観測を行った偉業が想像を絶します。山を登った経験のある人であればそれがいかに大変だったかわかると思います。なお魅力的なのはその偉業を支えたのが明治女性であったことに爽快な後味を覚えます。中学校の英語の教科書で、野中到の偉業をかいつまんで紹介していた。教師が「日本に数ある野中氏関連の本でこれがもっとも読みやすい」ということでこの本を薦めていた。当時中学生ながら(もう15年も前になるが)自然の厳しさ、それに立ち向かう彼らの勇気に圧倒された。殊に千代子夫人の、なんと強く、あたた...

坂の上の雲〈3〉 (文春文庫)


司馬遼太郎
¥ 670 通常24時間以内に発送
★★★★★

坂の上の雲〈3〉 (文春文...
日露戦争開戦に向けての意思決定と開戦準備がテーマ。 当時大人と子供ほど国力の差があったロシアに対して、なぜ日本が開戦を決意するに至ったのか、当時の人々の深刻且つ切実な葛藤・決意が臨場感を持って伝わってきます(「このまま時が移れば移るほどロシア側に有利で日本側に不利です。今なら何とかなる。日本としては万死に一生を期して戦うほか、残された道はない」)。 国に対する愛情だけでなく客観的・冷静な彼我分析のもとに、日本がなけなしの総力を結集していく過程には思わず心が動かされます。 いよいよ日露戦争の戦いの火蓋が切られる第3巻。 前半部分では、戦争回避の努力もむなしくロシア側の理不尽な要求に追い詰められ開戦せざるをえなくなったプロセスが描かれています。当時の日本にとって大国ロシアと戦うことがどれだけ困難(無謀)なことだったかを思うと、大国から屈辱的外交を強いられた憤りを感じます。 中盤以降は日露戦争準備から緒戦まで描かれていますが、私が印象に残ったのは、さまざまな点で後の日中戦争、太平洋戦争との対比やそれらへの影響が垣間見えたことです。 例えば、開戦の段階で陸・海軍と政府があらかじめ戦争終結に向...

坂の上の雲〈2〉 (文春文庫)


司馬遼太郎
¥ 670 通常24時間以内に発送
★★★★★

坂の上の雲〈2〉 (文春文...
日清戦争以降の時代の大きなうねりの中で、秋山好古、真之、正岡子規がそれぞれの境遇、立場の中で、感じ、行動する様の対比がおもしろい。 滅び行く清や、日本の前に立ちはだかろうとするロシア、そしてそのような状況の中で日本はどこへ行こうとしているのか、時代背景が手に取るように伝ってくる。この巻では主に、闘病しながら文筆活動を続ける正岡子規と、軍人として活躍を始める秋山真之を中心に描かれています。 正岡子規に関して小学校の教科書レベルでしか知らなかったので、過去の俳句や短歌を検証し、新たな作風を作り上げていった彼の功績を初めて知りました。それにもまして結核を患いながらも壮絶なまでに創作活動を行う彼の執念に胸を打たれます。 一方、秋山真之という人物の資質は、欧米に追いつき追い越そうとする明治日本になくてはならないもののように感じます。「飛ぶが如く」で描かれた大久保利通もそうでしたが、この時代には物事に強烈なこだわりをもった人物が必要だったのでしょう。 なお、この巻の最後の章は、ロシアに関する記述になっていますが、欧米でもなくアジアでもないロシアという国の性格が見事に表現されていて、大変ためになり...

坂の上の雲〈4〉 (文春文庫)


司馬遼太郎
¥ 670 通常24時間以内に発送
★★★★★

坂の上の雲〈4〉 (文春文...
○読み始めたきっかけ 司馬遼太郎の歴史モノが好きで、その中でも経営者を中心に愛読者の多い、 「坂の上の雲」を読んでみました。 ○心に残る言葉 日本の砲弾は、敵艦船の装甲を打ち破るのではなく、甲板で炸裂し火災を起こさ せ砲台を無力化することを目的としている。兵力の少ない日本海軍にとって、最も 効率的に戦闘する手段の一つ。 日露戦争当時では、一軍の統率は司令官がその人格力をもってやる、作戦の方は 参謀長が受け持つ。基本的にすべて参謀長に任せる。二者択一を迫られた時か、戦 況が紛糾した時のみ司令官が決を下す。 p.184 農業社会=有能無能の価値基準はなく、自然の摂理に従って、きまじめさと 精励さ嵩が美徳。 狩猟社会=それぞれの能力によって部署に配置され、全体の一目標のために機能 する。その中では指揮者が必要。この社会では人間の有能無能が問われる。世界史 的にみて、狩猟民族は軍隊を作ることに熟達している。 p.256 敵よりも大いなる兵力をもって敵を圧倒撃滅するというのは、常勝将軍と いわれるものが確立し実行してきた鉄則。 日露戦争に勝ったことにより、日本がロシア...